東京理科大、腕時計型の汗センサを開発 建設現場で約2時間45分の連続測定

東京理科大、腕時計型の汗センサを開発 建設現場で約2時間45分の連続測定

東京理科大学の研究グループは、汗に含まれるナトリウムイオンとカリウムイオンを、事前の長時間調整なしで測れる腕時計型のウェアラブル装置を開発した。実際の建設現場で作業員が装着し、約2時間45分にわたり信号を取得できたという。成果は国際学術誌「ACS Omega」に2026年9月21日付でオンライン掲載された。

課題は「電位が安定するまで待つ」時間

汗は採取しやすく、含まれるイオンの濃度から水分補給の状態などを知る手がかりになると期待されている。電位差を測る方式のイオンセンサは小型化しやすく、印刷技術で安く大量に作れる利点がある。ただ、基準となる参照電極は電位が安定するまで時間がかかり、使う前の調整が必要で、実用化の妨げになっていた。

印刷で作った電極と吸水層を一体化

研究を主導したのは同大学創域理工学部の四反田功准教授で、大学院生の藤澤拓真氏らが参加した。装置は、スクリーン印刷で作った液絡型の参照電極、ナトリウムとカリウムそれぞれのイオン選択性電極、布と高吸水性繊維による試料搬送層、独自開発の腕時計型無線計測装置で構成される。新しい電極材料の提案ではなく、これらを一つのデバイスにまとめた点が成果の中心だという。

実験室と現場での結果

実験室の評価では、感度はナトリウム側が48.3 mV/decade、カリウム側が46.4 mV/decadeだった。参照電極の電位変化は、10 mMの塩化ナトリウム水溶液中で3000秒間に約6 mVにとどまり、従来型で見られた長い初期の変動は確認されなかった。建設現場の試験では、作業を続けながら両イオンに応答する電位信号をリアルタイムで取得し、無線送信とデータ保存もできた。研究グループは、建設や製造の現場、スポーツ、屋外活動での体調管理や水分補給の支援への応用を見込んでいる。

概要

提供元
東京理科大学
掲載誌
ACS Omega(2026年9月21日オンライン掲載)
測定対象
汗中のナトリウムイオン・カリウムイオン
現場試験
稼働中の建設現場で約2時間45分
助成
日本学術振興会 科研費(24K02819)

出典: 東京理科大学「汗中のイオンに応答する信号をリアルタイムで取得するセンサを開発 ~長時間の事前調整なし、実際の作業現場で動作することを確認~」
プレスリリース原文