
産経新聞社が運営するケアするウェブマガジン「~から」は、9月29日に東京都新宿区の学習院女子大学で行われた教育イベント「第17回ダヴィンチマスターズ」での保護者向けプログラムの一環として、東アジアのダブルケア(育児と介護の同時進行)という社会的リスクの研究に取り組んでいる横浜国立大学大学院教授の相馬直子氏の講演を開催しました。
テーマは相馬氏が専門とするダブルケアを題材とした「子供と一緒に考えよう!~子育てと介護のダブルケア~」で、この日集まった約200人参加者(小学1年生~3年生)の父母の前で、実例を示して約1時間、熱弁をふるいました。
相馬氏は、現代の日本において「ダブルケア」はかなりの人に現実的に起こりうる問題とし、家計や経済状況、子供への影響を考えながら、親族と介護の負担、分担を話しあっておく〝備え〟の重要性を説きました。
また、教育に熱心な保護者が中心だったため、相馬氏は介護の問題が入試で採用された例なども示すと、将来の受験に役立つ内容とあって、多くの参加者がメモを取りながら、耳を傾けていました。
参加した文京区の50歳女性は「(教育イベントだったので)テーマは寝耳に水の内容でしたが、大変勉強になりました。子供の教育と介護が同時に行う自体が発生するという問題は私に新たな視点でした」と語ったほか、自身もダブルケアの経験があるという目黒区の43歳女性は「子供がまだ1歳のときに末期がんの父の介護を経験。当時は知識がなく大変でしたが、相馬先生がおっしゃる『事前に準備しておく』重要性を身にしみて感じました」と話した。