自身や家族の介護は多くの人にとって、「その時」になって初めて直面する問題です。誰もがいつか向き合う可能性がありますが、「当事者になる」ことについて、普段から考え準備をしている、という人は多くありません。

元日本テレビアナウンサーで、現在はフリーで活躍する町亞聖さんも、かつてはそんな一人でした。3人きょうだいの長女である町さんが母の介護に直面したのはなんと18歳。脳の病気で倒れたお母さんはまだ40歳でした。母の介護と弟妹の世話をしながら大学に進学、その後はアナウンサーとして活躍しながら、母の介護は10年にわたって続きました。その経験から、介護や医療の問題について取材や発信を続けています。

そんな精力的に活動される町さんのコラムが今月から始まります(計3回予定)。介護の経験や介護従事者の方々との触れ合いを通じて、介護への思いなどについて、執筆します。

昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活や社会の在り方を大きく変えました。「突然」現れた未知のウイルスは、世界中のあらゆる人々にとって大きな脅威となっています。感染力が強く、ある日誰もが感染者=「当事者」になり得ます。

そんな時代だからこそ、いつか突然やってくる介護について考えるきっかけを作れたら・・・。また、こうした状況下、新たな発想で介護を支える取り組みについても紹介していただきます。