「看護」「介護」「未来」変幻自在3つのブース=ラ・プラス ヒルトップ(名古屋市緑区)

2019/11/28

永禄3年(1560年)の「桶狭間の戦い」で敗れた今川義元軍の重要拠点だった鳴海城(通称・根古屋城)の城趾にほど近いリゾートホテルを思わせる瀟洒な建物。名鉄名古屋本線の急行が停車する鳴海駅から15分ほど小高い丘を登った先に位置する施設が「ラ・プラス ヒルトップ」(名古屋市緑区)です。郊外の住宅街にひときわ目立つ存在は周辺住民からも注目の的。11月23日に「こどもと一緒に介護のしごと体験イベント」の開催が決定すると、地域の小学生親子を中心に多数の申し込みがあり、当日は親子8組19名が参加しました。

体験前の講義を真剣に聞き入る参加者ら

■スタッフ一体で準備

敷地内に介護付きホーム、医療クリニック、リハビリセンター、調剤薬局、居宅介護支援事務所などを備える総合福祉施設。入居定員105名、介護職員60名を含む総スタッフ数80名を誇る大型ホームを目指してきた参加者たちは、豪華なエントランスに目を丸めながら次々と館内に入ってきました。

「ラ・プラス ヒルトップ」が本格的な親子イベントを開催するのは今回が初めての試みです。イベントの現場責任者でもある施設長代理の武内裕也さんは「(周辺住民の方々へ)施設のアピールにもなりますし、業界全体が慢性的に人手不足なので、お子さまたちに将来的に介護の仕事に興味を持ってもらうことが狙いです」と企画に至ったわけを話しました。

イベントの運営には、周辺のグループ施設や、運営会社(アサヒサンクリーン)からもスタッフが派遣され、まさにグループ一体となって準備。メイン会場となる同施設内の3階の広々とした多目的ホールには介護に関する機器がズラリと並びました。

お母さんを乗せて初めての車いす体験

◆参加者が体験したプログラム

①看護ブース・・・血圧計を使って血圧チェック。手洗いチェッカーで手の汚れを確認

②介護ブース・・・さまざまな種類の車いすの試乗や、器具を付けての高齢者体験

③未来ブース・・・VR(介護現場を映像で見られる機械)を使って、訪問入浴のシーンなどを体験

身体に重りをつけての高齢者体験。おじいちゃん、おばあちゃんの大変さが分かります

■最新鋭機器ズラリ

施設側が参加者に用意したプログラムは3つ。「看護」「介護」「未来」と分かれた各ブースには、実際に介護の現場で使用している最新鋭の器具を配置し、それらを実際に使ってもらう方式となります。

開会式、施設関係者の講演が終了した午後2時15分。いよいよ体験のスタートです。子どもたちは3班に分かれて、おのおのブースを目指しました。体験が始まってさっそく視野狭窄や、白内障患者の目の状態を体験できるアイマスクを着用した清水ゆいさんは、市内の有名私立中学に通う1年生。「年を取ると(目が)見えなくなったりするので、私もどうなってしまうかと今のうちから確認しておきたかった」と、学校に設置してあった介護に関するパンフレットをみて今回の参加を決めたことを語ってくれました。

実際に乗って、押してみて、車いす体験を存分に楽しんでいたのは、「(運転は)難しかったけれど、気持ちよかった」と話した柴垣雅音くん(小1)。別の介護施設で働くお母さんの千加さんは「(ここの施設の車いすは)新しいものが多く、昔のものに比べて乗り心地がいい。乗っている人に優しい」と感想を述べました。

 

血圧計測に挑戦する2人。数値は・・・正常でした

■コーフンの初体験

看護ブースをのぞいてみると、男の子たちが血圧計測にチャレンジしていました。「通っている小学校でチラシをもらって」参加してくれた竹本悠起くん(小1)は友だちに腕帯を装着してもらいさっそく計測開始。お父さん、お母さんがいつもやっている身体の状態チェックに子どもたちはちょっと興奮気味でしたが…。大丈夫です。数値は正常でした。

血圧計測の横では、別の男の子が何やら機械に手のひらをかざしています。機械の正体は手洗いチェッカー。後方の洗面所で手洗いをした後、ばい菌が残っていないか確認するためのものです。介護付きホームはさまざまな人が生活する場所なので、清潔感を保つことは必須。子どもたちは赤外線に映るばい菌をみて、正しい手洗い法を学びました。

VRを使って未来の介護をのぞいています

■ウットリ入浴シーン

会場の一番奥にある未来ブースでは、子どもたちが何やらゴーグルのようなものを装着して興味深そうに中をのぞいています。これは訪問入浴など実際に現場に行って研修や体験ができにくい介護を映像でみて〝体験〟できる機械。姉妹でじっくりと映像を眺めていた岡崎璃子さん(小3)、莉茉さん(小1)は「お風呂の映像は本物みたいですごかった」とニコニコしながら語ってくれました。

 他にも身体に重りをつけての高齢者体験や、重いもの(人)を引き上げる力をアシストするマッスルスーツを着用して要介護者を引き上げる体験など、満載のプログラムに参加者はみんな満足そうな様子。閉会式の後には子どもたちにはうれしい「お菓子のつかみ取り」も行われ、中には袋が破れるほどいっぱいに詰め込んだ子も・・・。おみやげも受け取り笑顔いっぱいの19名にとっては貴重な経験ができた1日となりました。

 

住所:〒458-0801 愛知県名古屋市緑区鳴海町字三高根55番地

開設年月日:2004年11月1日

定員/居室数:105名/105室

問い合わせ先:TEL:052-893-0660/0120-052-077
FAX:052-893-0661

施設長からひとこと:介護職員は24時間体制で配置。医療クリニックを隣接しており、安心して生活をすることができます。また自立を支援することを目的とし、入居者の尊厳および価値観の尊重をモットーに常に快適な生活の提供に努めています。

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