りんたろー。チャラ男×介護「ほっこりする瞬間に出会える」

2021/02/05

お笑い第7世代として、若手芸人の中でも特に注目を集めるお笑いコンビ「EXIT」のりんたろー。さん。ブレイク前には8年間、介護事業所でアルバイトをしていた。そんな、りんたろー。さんに介護の仕事について聞いた。

「介護の仕事は大変じゃない、って言ったら嘘になるけど、僕にとっては楽しい時間だった」

◆お笑いのエネルギーに

りんたろー。さんが本業のお笑いと並行してデイサービス(デイ)事業所でアルバイトを始めたのは23歳のとき。近隣に開業するデイの職員募集に応募した。

「おばあちゃん子だったし、オープニングスタッフなら何とかやれるかも。チャラ男と介護のコラボも何か面白いものが生まれるかも、と思いました」

経験豊富な介護スタッフらに教わりながら、仕事を開始。「不安だった排泄ケアはやってみたら全然平気。急にお笑いの仕事が入っても、仲間が応援して送り出してくれました」

とはいえ、当時は本業のお笑いは順調ではなかった。「しんどい、つらいといった負の感情が大きくて、介護のバイトが大切な時間でした」

当時のコンビを解消し、お笑いでの行く末に悩んでいたころ、デイを利用する要介護の男性にふと言われた。「兄ちゃん、芸人なんだって? 頑張れよ」。それを聞き、「まだ頑張れる」と思い直した。

介護の仕事は、「ほっこりした瞬間に出会える」(りんたろー。さん)。それが魅力だという。

オンラインイベントは、介護の現場や仕事を知る「プロ」ならではのトークで盛り上がった

◆「一番優しい子」

りんたろー。さんがアルバイトとはいえ、介護の仕事を選んだ背景には、祖母との温かな関係がある。北海道に住む80代の祖母は子供の頃から「りんちゃんは、一番気持ちが優しい子だよ」と何度もほめてくれた。

プロを目指してサッカーに打ち込んだ学生時代も、売れっ子芸人となった今も、連絡を欠かさない。「最近、めちゃくちゃ頻繁にかかってくるんですよ。毎日電話してます」

祖母は認知症で、今は介護施設で暮らす。りんたろー。さんが電話に向かう声は穏やかで優しい。お笑いで見せる明るく刹那的な「チャラ男」とは正反対だが、「チャラ男も、祖母と接するときの僕も、どっちも『自分』。すごく自然なんです」と笑う。

◆「僕がやるべきこと」

昨年12月に、りんたろー。さんと2人の介護福祉士らとのコラボで開かれたオンラインイベントには、家族介護に携わる人や介護職らから、切実な声も寄せられた。「介護を受ける相手にイライラしてしまう」「りんたろー。さんの笑いに救われる」

「イライラする自分も認めてあげるのが大事だと思う。外に助けを求めることも、大事な人を嫌いにならないために必要だし、それも愛の形だと思います」

介護の仕事をしていた頃、自分のケアでお年寄りが明るい表情になったり、食べる量が増えたりしたときに喜びを感じた。「声を出せなくても伝わるコミュニケーションがある。僕をきっかけに介護に興味を持ち、一瞬でも気持ちを楽にしてもらえるなら、介護に関する発信も僕がすべきことだと思います」

 
▽プロフィル
昭和61年静岡県生まれ。大学卒業後、吉本総合芸能学院東京校に進み、お笑いの道へ。平成29年、兼近大樹さんと「EXIT」を結成。お笑いのほか、ファッションや美容など幅広い分野で活躍中。

公式YouTubeチャンネル
りんりんパニック 旧なかじチャンネル仮」(個人)
EXIT Charannel」(コンビ)

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