介護職の悩みや思いを共有する=未来をつくるkaigoカフェ 高瀬比左子さん

2021/01/22

お気に入りの「カフェ」に集まり、気のおけない仲間と話すことがリフレッシュにつながる。介護の仕事に携わる人にそんな場を提供しようと、「未来をつくるkaigoカフェ」を立ち上げた高瀬比左子さん。2012年に小さな喫茶店から始めた輪は、今や全国に広がっている。「介護に関わる人々が思いを語り、学ぶ、対話の場をさらに充実させたい」と語る高瀬さんに思いを語ってもらった。

人生100年時代を豊かにする…をテーマにしたオンラインミーティングを開催

■歌い、踊りだす人も

昨年12月18日夜、ビデオ会議システムを使いオンラインで開催された「未来をつくるkaigoカフェ」。「kaigoプレゼンテーションナイト~人生100年時代を豊かにするkaigo~」と題し、全国各地の介護の仕事に携わる約150人が、終業後のリラックスタイムに参加した。

この日のテーマは、第一部が「ご当地介護自慢」、第二部「介護版すべらない話」。北は青森から南は沖縄まで計10人のプレゼンターが思い思いにケアの現場で感じていることを話した。

休憩時間には、沖縄県の参加者が生演奏をしながら歌い、踊るパフォーマンスを見せるなど、交流は終始なごやかなムード。途中には、5人程度のグループに分かれて、じっくり語り合う場も設けられた。

介護の現場はもちろん、関連取材の経験もほとんどない記者も話の輪に加わったが、どの参加者も生き生きと自分の言葉で仕事や施設の状況などを話し、特にユーモアにあふれた「すべらない話」が尽きないのが印象的だった。

各地の「お国自慢」も飛び出した

■1人で悩まず、話し合える場を…

「みなさん、本当に話したいことがあるから来てくれる」と高瀬さんは説明する。

「kaigoカフェ」は当初、高瀬さんが住んでいた都内の私鉄沿線にある喫茶店を貸し切りにして、1杯のコーヒーで2時間語り合える場として始まった。

「それまでは介護の仕事について悩みや思いを話す場がなく、1人で苦しんでいる方も多かったようです。それが、kaigoカフェという場ができたことで、職場以外で仲間と出会えたことを喜んでもらった」

運営にあたっては、テーマが専門的にならないよう、参加者同士が自然に話せるようにし、各グループに進行役を置くなどの工夫をする。進行役も介護や福祉という対人業務に携わる人とあって、初参加の記者も緊張せず話の輪に入れた。

リアルなイベントでは、参加者が200人を超えることもあるが、今はオンラインでの運営が避けられない。「一方で遠く離れた人ともつながることができ、各地の現状を知り合えるメリットもあります」という。

現場からのユニークな話題で大盛り上がり…

■一般企業の秘書からの転身

高瀬さんは大学で国際関係を学び、一般企業に就職して秘書となったが、「社会に役立つ仕事をしたい」と考え、介護や医療サービスを行う会社に転職。介護保険制度が始まって間もなく、訪問介護の仕事をするようになった。

個々の家庭を訪ねる訪問介護の仕事について、「一人暮らしで、ずっと誰とも話さずにいた人が、私が来るのを待っていてくれる。そういう体験は、他の仕事ではできない、と思った」という。

「5年間は修業だと思ってがむしゃらにやってきました」と言い、介護福祉士、社会福祉士、ケアマネジャーの資格も取得した。

介護の仕事を通じて、人間の深い部分も理解できるようになった。「みなさん、本音で話してくれる。それまでは自分の育った家庭に不満を持ったりもしたが、それもすべて相対的に見られるようになった」と振り返る。

■2月26日に開催

次回の「kaigoカフェ」は2月26日午後8時からオンラインでの開催を予定している。「自分らしい働き方を見つけるには」をテーマに、各地でケアの現場に携わる5人の女性プレゼンターが登場。「思いを形にするために努力したこと」や「仕事とプライベートの両立の方法」「毎日を楽しむ秘訣」などを話してもらう予定だ。

今後の介護業界については、「人材育成や待遇の改善など課題はあるが、介護は未開拓の部分もあり、すそ野が広い。ビジネスと福祉のマインドをバランスよく持っていくことが必要だと思う」と話した。

未来をつくるkaigoカフェ= http://www.kaigocafe.com/

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