決定!社会福祉HERO’Sに秋田の若狭さん
神尾楓珠さんもエール

2022/03/19

高齢者や障がい者の介護、乳幼児の保育など社会福祉の最前線で活躍する若手職員を表彰する全国大会「社会福祉HERO’S(ヒーローズ) TOKYO 2021」が3月15日、東京都千代田区大手町で開催された。今回は昨年に続きオンライン形式で開催され、表彰式会場とエントリーした各地の職員や審査員の学生らを結んだ。会場には福祉に関心を持つ俳優、神尾楓珠(ふうじゅ)さん(23)もゲストとして登場し、参加者にエールを送った。 

■福祉現場の「ベストヒーロー」を選出

イベントは全国社会福祉法人経営者協議会が主催。社会福祉、介護事業での担い手不足が指摘される中、その印象を変えることを狙いに企画された。2018年に始まり、今回で4回目となる。「福祉の仕事の魅力を広く若者に伝え、離職率の改善、人材確保につなげたい」(主催者)という狙いがある。全国の社会福祉法人で働く20-30歳代の若手スタッフを募り、〝社会福祉版の甲子園〟として、その挑戦者をヒーローとして表彰する。

この日は、各地から応募があった中から選ばれた秋田、埼玉、東京、富山、山梨、大阪-の6都府県のファイナリスト6人がオンラインで登場。各福祉施設で働く若手職員が、福祉現場での実際の取り組みについて巧みにプレゼンテーションを行った。

会場の6人の有識者と全国からオンライン中継を視聴した大学生や福祉専門学生らがファイナリストを審査した。その結果、2021年のグランプリ「ベストヒーロー」賞には秋田市の若狭利伸さん(32)が選ばれた。

ベストヒーロー賞に輝いた若狭利伸さん

若狭さんは同市内の障がい者支援施設「ほくと」で作業療法士として勤務。入居する利用者にリハビリの一環としてゲーム対戦競技である「eスポーツ」を2年前から活用している。この日のプレゼンでは、「ゲームをすることが認知機能に働き、リハビリにもつながっている」と説明し、利用者向けにゲームのコントローラーをカスタマイズしていることなどを話した。

eゲームに夢中になる利用者ら

審査会場には、モニター画面に向かい、生き生きとした表情でゲームをする人たちが紹介され、「60歳を過ぎてゲームを始めた人も『楽しい』と言ったり、やるだけでなく応援することも楽しみになっている」と若狭さんは説明した。

昨年1月には、施設利用者がeスポーツの全国大会に出場するなど、リハビリにとどまらない存在になっている。

若狭さんは受賞について「びっくりしました。でもうれしいです」と喜びを語り、「福祉の仕事は本当に自分の職場だけでなく、住んでいる県や、大きく言えば世界とつながれる、すごく面白い職業だと思います。これからも、自分がやってきた活動を続け、どんどん発展させていきたいです」抱負を語った。

コントローラーを手にする若狭さん

主催者を代表し、全国社会福祉法人経営者協議会の磯彰格(いそあきただ)会長は「いずれのプレゼンテーションもアイデアと訴求性があり、甲乙つけがたかった。高校生の『将来つきたい職業ランキング』でも、福祉の仕事が5年前には50位以下だったのが、今はベストテンに入るようになっている。福祉の仕事に就く人たちが地域でさらに活躍し、全国に発信していくことを期待したい」と話した。

「保育士を演じたい」と話す神尾さん

■「強みを生かしての活躍が印象深い」神尾さん

この日、スペシャルゲストとしてトークイベントに登場した、神尾さんは両親が医療や介護関係の仕事をしていることから、福祉にも関心があるとしたうえで、「それぞれの方がその得意なことや強みを生かして活躍しているのが印象深く、聞き入ってしまいました。(福祉の現場で)やれることは限られていると思っていたけれど、音楽療法やeスポーツなどを取り入れ、発想の転換でいろいろな可能性が広がることが分かりました」と感想を話した。

また、俳優としては、過去に高校教師の役を演じたことがあり、今回のプレゼンを見て「保育士を演じたいと思いました。パンチの強い個性的な人物を演じたい。子どもたちと一緒に走り回ったり…」と笑顔で話した。そして、「プレゼンを見て、福祉の仕事に興味が持てるように感じたし、これが広がっていくことに期待したいです」と福祉の現場で働く人たちにエールを送った。

大会の模様はhttps://www.youtube.com/watch?v=HPfzWfh5cf4で見ることができる。

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