国がん、患者さん向け ~ホームエクササイズを紹介~
新型コロナウイルスの感染を避けるため、家に引きこもりがちながん患者らのために、国立がん研究センター中央病院と東病院のリハビリテーションチームが負荷の小さなエクササイズ動画を作り、投稿サイト「YouTube」で公開している。
❖高齢者にもぴったり
動画は「がん患者さんのためのホームエクササイズ」。体力の落ちている人にも無理のないエクササイズで、高齢者にもぴったりだ。
運動は計10種類でいずれも5分弱。呼吸法からスタートし、立ったり、座ったり、歩いたりの機能を維持するために、下肢のエクササイズが中心になっている。骨に負担のかかるひねりのある運動は避けた。
作成したのは、国立がん研究センター中央病院と東病院。きっかけについて、中央病院の骨軟部腫瘍・リハビリテーション科の主任理学療法士、渡辺典子さんは、がん患者の多くが新型コロナウイルスに感染しないよう、屋内にこもりがちだと気づいたことだという。
❖「3週間ぶりの外出」
患者のなかには、外来診療の際に「外出は3週間ぶり。前回の診察以来、外に出ていなかった」と話す人もいる。「緊張しており、なんとなく落ち着かない」など、精神的なストレスを感じている人も少なくない。
運動不足による筋力低下は、思わぬ転倒やけがを招きかねない。しかし、テレビやインターネットで紹介されるエクササイズは健康な人向けがほとんど。患者には激しすぎることから、負荷が小さく、家でできる運動を考案した。
渡辺さんは「フレイル(虚弱)の心配のあるお年寄りにも合う。今後、嚥下(飲み込み)のエクササイズも紹介していく予定なので、ぜひ使ってほしい」と話している。
国立がん研究センターのサイトは以下の通り。
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/orthopedic_surgery/040/index.html