なごみカフェ~地元とつながる~

2020/01/13

車いすやベビーカーも利用しやすく、ヘルシーな昼食を食べられる店を見つけるのは難しい。下町情緒の残る東京都大田区西糀谷の「なごみカフェ」。地元の高齢者がボランティアで調理、接客を手伝い、自然食材を使った500円のワンコインランチを提供する。地域の高齢者とママの世代間交流を促し、関係を深めるコミュニティサロンだ。

子供連れにも入りやすい雰囲気が人気だ=東京都大田区西糀谷の「なごみカフェ」

■「みま~も」に学ぶ

なごみカフェは、京急線糀谷駅前の商店街「おいで通り」から路地を入った住宅地にたたずむ。出入口にはスロープが設けられ、店内は杉の木のテーブルが落ち着いた雰囲気を演出。店は、車いすを無料で貸し出す同区社会福祉協議会の「車いすステーション」にも登録されている。

運営するのは、地域づくり活動に携わる一般社団法人「こうじや文化村」の代表理事、胤森(たねもり)なお子さん(57)。「私がこの地に引っ越してきたのは4年前。新たな地元と何かつながれることをしたかった」という。オープンは平成29年。おいで通りで自然食品の店「一五一会(いちごいちえ)」を営むパートナーの石井喜明さん(61)が、母親の泰江さん(84)宅をバリアフリーにするのを機に、居宅1階をカフェにリフォームした。胤森さんは「(泰江さんの)足が弱り、外出もしづらくなる中で、近所の人と触れ合える場所を作りたかった」と言う。

当時、同区内ではコミュニティー食堂「元気かあさんのミマモリ食堂」が稼働。運営主体の「おおた高齢者見守りネットワーク」(愛称・みま~も)にノウハウを学び、地元の地域包括支援センター糀谷との共同事業でスタートした。

この日のメニューは、メカジキのバターしょうゆ焼き、チンゲンサイのごまあえ、おにぎり、みそ汁

■やりがいは笑顔

営業は毎週金、土曜の昼時のみ。土曜のメニューはパンとスープ、サラダの軽食で、胤森さんが一人で切り盛りする。金曜は、おいで通りにある薬局の協力で管理栄養士が定食メニューを考案。ボランティアスタッフらを含めた3人態勢で営業する。「できる限り、農薬や化学肥料を使わない野菜やコメ、無添加の調味料を使うようにしています」と胤森さん。一人暮らしの高齢者が「夕食用に」と、もう1食注文して持ち帰ることもあるという。

開業当初からスタッフとして店に立つ地元在住の調理師、伊藤英子(ひでこ)さん(76)は、区内の特別養護老人ホームでボランティアをした縁で、なごみカフェを紹介された。〝後期高齢〟と呼ばれる年齢に入ったが、「お客さまの笑顔がやりがい。若いお母さんが食事しやすいよう、子供をあやすのも楽しい。体が動くうちは続けたい」とはつらつとしている。石井さんの長男で介護職員初任者研修を修了した悠喜さん(31)も手伝い、自然に世代間交流が深まる。

料理を盛り付ける(手前から)胤森なお子さん、伊藤英子さん

■情報交換の場に

2歳の娘を連れて立ち寄った同区羽田の新藤愛子さん(38)は「ベビーカーでも入りやすく、味付けが家庭的なのもうれしい。地元の人が気軽に来られる雰囲気もいい」と満足げ。

オープンから3年目。胤森さんは「ネットワークを広げて、ランチと地元講師を組み合わせたイベントなどを行い、皆が情報交換ができる場にしていきたい」と夢を抱いている。

フォローすると、定期的に
\ケアするWebマガジン『ゆうゆうLife』の更新情報が届きます。/

Facebookページをフォロー
Share
LINE